えびグランマ昭和時代、五歳だった頃からのメモワールです。
五十代後半に書いた昔の回顧録を、パソコンの中に見つけたので投稿してみました。🙇😄😅
『思い出レコード!』
手廻し、SPレコードで聴いた「うさぎのダンス」。
「おとうちゃん、うさぎさんの声がちっちゃくなってきたよ!」
「よーし、じゃあ、さちこと一緒にグルグルするか!」
「うん!」
得意げに返事しながら私は、レコード盤が回る蓄音機のハンドルに手をかけた。
父の大きな右手が私の手に重なって一緒にグルグル回していくと・・・
「ソソラ、ソラソラ、うさぎのダンス、タラッタ、ラッタ、ラッタ、ラッタ・・・」
途切れかかった童謡がみるみる元気を取り戻す。
そんな何気ないやり取りが何だか嬉しくて。
大人になった今も忘れられないセピア色した家族との時間…
当時、父は水戸市内の税務署で働く公務員。
自宅が近くだったので、私は茶の間の時計が五つ鳴るのを毎日心待ちする幼稚園児だった。
私は大好きな父にピッタリくっついて、二歳と三歳の弟たちはいつも母のひざにまとわりついて遊んでいた。
レコードから流れる「兎のダンス」「おさるのかごや」「赤いくつ」がお気に入りで、飽きずに毎日聴いていたような記憶がある。
「おみやげだよ」
仕事帰りに父は、レコードやビスケットを小マメに買ってきてくれた。
「『いってらっしゃーい、おみやげかってきてね』って、三人の子に毎日見送られたら手ぶらでは帰れなかったみたい」
後に母は嬉しそうな顔で話してくれたっけ。
父も当時にしては珍しい、三十歳のイクメンだった。
今でも時々思い出す家族との穏やかな時間。
セピアな光景…
今にして思えば、年子の弟二人と私ではさぞかし毎日が戦場だったはず。
なのに両親は、誕生日になるとささやかなプレゼントと歌を欠かさなかった。
あかりをつけましょ、ひな祭り。子供の日にはしょうぶ湯で、十五夜お月さんのすすきとお団子。クリスマスには銀色のくつにバターケーキを添えて。
イベント好きな両親…
年子の弟が二人もいたのに、子供時代は喧嘩をした記憶がまったくない。
両親の背中をみて大人になった私は、結婚してからも季節ごとのイベントをずっと続けてきた。
時間の合わない家族のため強行した真夜中の誕生日会。
時には一人ぼっちのクリスマスでホールケーキにかぶりつき、そんなこともあるさ!と自分を励ました夜も。
嬉しい時、へこんだ夜、いつも心の中や、お風呂の中で口ずさんでいた歌・歌・歌!
音楽のチカラって昔とちっとも変わらない。
今年生まれたばかりの孫は、ipadをなめまわしながら、流れてくる「めだかの学校」「犬のおまわりさん」を喜んで毎日聴いている。
古い童謡は聴かせないのかと思っていたけど・・・。
孫達もいつか大人になって、両親がしてくれたお返しに、生まれてきた子孫のため歌を聴かせてあげる事でしょう。
さ、私も、もうチョットがんばって、生まれてきた孫のために童謡でも作ってみようかな!
追伸
その後、億の借金が露見し家族は何回も引っ越しを繰り返します。
人生色々ですね。
その続きはまた〜🙆✌️🤗
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